イギリスで活躍するグルジア出身のシンガー、ケイティ・メルアの3枚目のアルバム(
e-card)。一聴して前2作とは少し作風が変わったなと感じた。ジャケットに曲のクレジットの記載がないので誰がどの曲を書いたのか分からないが、ホーンをフィーチャーした曲やエレキギターのソロが入る曲などこれまで以上にバラエティに富んだ曲が並んでいる。その一方で前作で顕著だったブルーズ色は薄れている。
サウンドプロダクションも変わっていて、ドラムが入っている曲が多いし、全体の音作りもクリアでソリッドになっている。その影響でこれまでの少し気怠くてドリーミーな映画音楽的な雰囲気は後退しているが、その代わり"一人のソロシンガーの作品"としてはよく仕上がっていると思う。
ケイティの歌もデビュー時は甘ったるい感じの歌い方で雰囲気だけで聴かせていた面もあったが、作品を重ねるごとに上達してきていて、深みのある歌い方ができるようになったし、声にも張りと艶がでてきたように思う。
これまでのムード歌謡(?)路線に一番近いのは"What I Miss About You"かな。私が一番好きなのは"If The Lights Go Out"だけど。珍しくアップテンポでノリのいい曲。こういう曲でもケイティの声は映える。あと、情感たっぷりに歌い上げる"What I Miss About You"もいい。
ボーナストラックとして映画「ミス・ポッター」の主題歌"When You Taught Me How To Dance"と"The Closest Thing To Crazy"のアコースティック版が収録されている。"When You Taught Me How To Dance"はケイティの持ち味が十二分に発揮された佳曲。
"The Closest Thing To Crazy"は元々アコースティックな曲だから特にアレンジが変わっているわけではない。完全に販促のためのボーナストラック。ただ、デビュー作の頃よりケイティの歌が上手くなっているので聴く価値はある。
ちなみに、3作目にして初めて日本盤を買ったのだが、各曲に邦題が付けられているのには驚いた。しかも、"Scary Films"が「ホラー映画でラヴソング」とか"Spellbound"が「おまじない」とか20年前の国内盤かと思わせるような邦題ばかり。サイテーだね。
[関連エントリ]
◇「Piece By Piece」 / ケイティ・メルア◇「CALL OFF THE SEARCH」 / Katie Melua